2005/10/15

ストラドの饗宴

最近コンサートづいている。
先日のエリック・ジョンソン来日公演に続き、
今回はサントリーホールへクラシックのコンサートを観に行って来た。
ひょんな事からチケットを入手出来た。しかも特等 S 席。
萬券壱枚では買えない代物だ。

思えばクラシックのコンサートなど何年ぶりだろう。
しかも楽器は全て名器ストラディバリウス。そういう企画だ。
演奏者はベルリンフィルのメンバーである。何の不満もない。

サントリーの大ホールにはパイプオルガンがある。
銀色に光る沢山のパイプが演奏者のバックに控えているだけで圧巻だ。
何とステージ上には鴬色のチェンバロが設置されている。
自分はわりと鍵盤好きなのだが、特にチェンバロの音色はたまらなく好きだ。
パイプオルガンにチェンバロ、そしてストラド。
バロック好きの自分にしてみれは嫌でも期待が高まる。

ん?客席の左右に譜面台を並べている。何をするんだ?
を?演奏者が入場して来た。
何と客席の左右で1曲目、トーマス・タリスの「預言者エレミヤの哀歌」
の演奏がスタート。粋な事をするねベルリンフィル!
チェンバロの音色を生で聴くのは初めてかも知れない。
良いな、チェンバロ。

J.S.バッハの「2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043」
通称「ドッペルコンチェルト」をやってくれた。
これぞまさにバロックという名曲。
チェンバロをバックに弦楽器が数点という構成には持ってこいの曲なので、
良くぞやってくれたといった所だ。実はこの曲には思い入れがある。
中学生の時、この第一楽章の 1st ヴァイオリンパートを全校生徒の前で演奏した。
中学には入学式と卒業式で在学生が楽器を演奏する「奏楽」と呼ばれるしきたりがあり、
音楽の先生が楽器経験のある生徒を招集し独自に仕込みをするのだ。
そういうの他の学校もであるのだろうか。。。

チャイコフスキー「弦楽セレナーデ ハ長調 op.48」も嬉しい。
荘厳かつ切ないメロがたまらない。バロックも好きだが、
実はチャイコやドヴォルザークの様な泥臭い近代の作曲家も大好きなのだ。
曲目(プログラム)は2種類ある様だが、今日の方がアタリだな。

しかしストラディバリウスが合計12本も集まると圧巻である。
非常に遠くで演奏しているにも関わらずすぐそばで演奏しているように聴こえて来る。
アンコールで演奏されたチェロ協奏曲などは聴いていてとろけてしまいそうだった。
しかも4回もアンコールしてくれるなんて。良い人だな、ベルリンフィル。
本当に良い演奏を聴く事が出来た。クラシックも悪くないな。

アンコールの度に演奏者の一人が日本語で曲紹介をしてくれたのだが、
クラシックのコンサートで演奏者が MC 入れるなんて珍しい上、
不自然な程流暢な日本語なので笑えた。会場中が笑っていた。
コントラバスを弾いていた人が楽器よりとても小さな人だったのがかわいらしく、
一瞬萌えそうになった。男だっつの。それは多分オレだけだと思われ。

チェンバロ:
ピアノの原型となった鍵盤楽器。
澄んだ高音域を持つ独特な音色が特徴。
調律された弦をハンマーで叩いて音を出すピアノに対し、
チェンバロは弦を鍵状の装置で弾いて音を出す。
その様な機構のため音の強弱が出しにくい。
その弱点を改良して強弱を出し易くしたものがピアノとなった。
チェンバロの音色は悪魔城ドラキュラ「図書館のテーマ」等で聴く事が出来る。
有名な所ではアニメ「キャンディ・キャンディ」の主題歌イントロだろうか。

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