2005/10/12

E.J. 来日公演

今日を休みにした理由はスケジュールが厳しいという他にもう一つある。
エリック・ジョンソンの来日公演、新作「bloom」のツアーが今日だったのだ。
土日にやってくれればこんな無理はしなかったのだが。。。

スタートは 19:00 かっきり。
何とエリック先生、キャンディアップルレッドのストラトキャスターを構えて登場。
いつものボロボロに使い込んだサンバーストではないか。
流石にビンテージストラトをツアーに持って来るのは恐いか。
盗まれでもしたら目も当てられない。

荘厳な SE からライブがスタート。
やはりあの極上のトーンそのままの音がライブでも聴ける。
透明度の高い水晶玉の様なクリーンサウンド、
突き抜けるように疾走するドライブサウンド、
まるで風の様に過ぎ去って行くリード・トーン、
ストラトキャスターという楽器の持つ全ての音を駆使しているかの様だ。
何てイイ音なんだ。正直信じられない。
どうしたらあんな音をライブで奏でる事が出来るのだ?
それが重厚なバンドアンサンブルとなって耳に飛び込んで来る。
それはとてもトリオとは思えないサウンド。たまらんぞな。

おぉっと、今までの公演では一切客を煽るような事をしなかったエリック先生、
演奏中に高々と右手を振り上げる仕草、ノリノリですね、先生!
でもやはり曲間の MC は曲紹介だけですね。
例え曲間と言えど黙々とチューニングに3分も時間を取る。
OK です、それでこそエリック先生。

突然始まってしまう曲もあるのだが、大概の曲には導入部分に一工夫入れてくれる。
この十数小節程の演奏ががまたものすごくカッコイイ。
「あぁ、この曲の導入だったのね」と二度おいしかったりするのだ。

しかしこの人の演奏は相変わらず凄い。
ソロのフレージングのほとんどを人差指と薬指でやっているのは変わっていない。
1 オクターブに 5 音しかないペンタトニックスケールの複合技がこの人のスタイルなので、
そうなるのは当然なのだが、絶妙に合わせてくるので変にブルースっぽくならないのがイイ。
さらに半小節程で 1 フレットから 20 フレット付近まで一気に駆け上がったり、
右手と左手を使ってハーモニックスやチャイムの様な音を出すあの超絶技。
一体何をやっている事やらさっぱりわからない。
それがフレーズとして成立してしまうのが全くもって不思議だ。

あの耳に心地良い音の正体の一部は何となく予想している。
非常に緩いテンションで張った弦を、
触るか触らないかほどのインパクトで高速にピッキングする事で、
ピッキングノイズが乗らない流れるようなトーンを生み出しているようだ。
そんな単純なものではないが、そういうアプローチで得られる音の様な気がする。

たまに「昔のキレキレ感が無くなったのでわ?」と思わせる所もあるが、
そんなものは些細な事と思わせる素晴らしい演奏だった。
アンコールはトータル 3 回。
個人的には Zap と Manhattan をやって欲しかったが、
それは G3 のライブアルバムでも聴けるのでヨシ。

自宅に戻った瞬間自分のストラトキゃスターを引っ張り出した事は言うまでもない。
今夜の渋谷 O-East は熱かった。

2 Comments:

Blogger sempreff said...

> 一体何をやっている事やらさっぱりわからない。

これが全てを端的に語っているねぇ。
次元の違う「何かスゴいもの」を見てしまう喜びってイイよなぁ。

水曜日, 10月 12, 2005 12:44:00 午後  
Blogger kazufuruk said...

sempreff> 次元の違う「何かスゴいもの」を見てしまう喜びってイイよなぁ。

全くその通りですねぇ。その瞬間その場にいられた事がうれしいです。
そういったものの積み重ねが何かしら自分の糧になると思います。
sempreff さんを含め、諸先輩方の突き抜けたスキルも自分にとっては
「次元の違うスゴいもの」だったりするんですよね。。。スゲェなぁ。。。

水曜日, 10月 12, 2005 11:59:00 午後  

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