2005/12/14

砂時計

自然公園の中に不自然にそびえるその建物は何かの研究施設だろうか。
白い服を着させられた数十人がその白い建物の中にいる。
彼らには半分仲間のような心のつながりがある。自分もその一員だ。
その施設にはエリアもしくはテリトリーのようなものが存在し、
そこから外に出れば施設の力が及ばない事は何となくわかっている。

その中から自分を含めた数人が選出され、ペア同士に砂時計が渡される。
正直ペア両方に砂時計が渡されたのかどうかは良く覚えていない。
一体何をしようというのだろう? この砂時計は何?
意味不明の行為に戸惑いを覚えはじめた矢先、施設の人間が口を開く。

「一方は逃げろ。砂時計が落ち切る前にエリア外へ逃げ切ればここから出してやる。」
「一方は追え。そして殺せ。相手がエリア外へ逃げる前に殺せばここから出してやる。」

あまりの事に自分を含めた数人はしばし固まる。
しかし、何故?という疑問は不思議と湧かない。
むしろ砂時計が落ち切る前にエリア外に出られなかったら、
そして砂時計が落ち切る前に相手を殺さなかったら、
死か、それと同レベルの何かが待っている事は容易に想像出来た。
そして施設の人間が自分に「逃げろ」と告げた。

自分に渡された砂時計の砂は何故か異様に少ない。
ペアの相方に銃が手渡される。逃げ切れなければ殺される。
空は皮肉な程青く澄み渡っている。風も穏やかだ。
自分は勝手知ったるこの大自然の中を走り抜ける。
テリトリーの外はもうすぐ。この獣道を抜ければ国道だ。
砂時計も残り少ないがエリア外へ出るだけの時間はある。
。。。

あと一歩の所で相手が前から走って来た。あり得ない。
この道はよほど遠回りしなければ前に出る事は出来ないはず。
しかも自分の在処がわからなければ到底追いつける時間ではない。
そうか。渡された砂時計の砂は発信器の働きをするナノマシンだと瞬時に理解。
研究施設で開発されたものなのか? 俺はモルモット? 一体何の実験だ?
相方の顔には負の歓喜が浮いている。恐ろしく醜く歪んでいる。
その手にあるとんでもなくデカい銃が火を吹いた。
何とかかわしたが第二波が! 自分が死んだと思った瞬間目が覚める。

以前 sempreff さんが夢の話を投稿されていたが、
その話に比べてもこんなにも非現実的な夢を見るものか。
まるで手塚治虫の「火の鳥」のような世界観でわないか。

おいしいニンジンぶら下げられて大どんでん返し。
冷静になって考えてみると、何となく身に覚えがあるような。。。

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