2007/04/01

夜桜

人語をしゃべるペンギンが踊り狂うCG映画を見た帰り、
以前住んでいた文京区小石川の播磨坂桜並木の桜を見に行った。

街灯に照らされた桜はまさに満開に咲き誇っており、
深夜のひんやりとした空気と相まってか、
幽界に通じる妖しさすら漂わせているかの様だった。

学生時代の全てを過ごした街並は以前とあまり変わっておらず、
懐かしくも切ない風景に不自然なほど美しい夜桜が映え、
何故かとても不思議な気持ちになっていた。
夜中という事で人もほとんどおらず、
心ゆくまで愛でる事が出来たのだが、
どうにもいたたまれなくなり早々にその場を後にした。

理由は何となくわかっている。
心の拠り所にするだけなら良いが、
それ以上のものを求め始めていたのだろう。
それが嫌だった。

明日から新年度が始まる。
次回はそうならない自分でこの桜を眺めていたい。

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