2008/07/13

2008/07/12のダメ人間模様

「カートのエンジン熱で尻に火傷を負う(浅達性レベル2※)」

ここは日本のキングダム・オブ・スパ鬼怒川の程近く。
彼の地に「タイムトライアルサーキット」という名の
熱いバトルフィールドが広がっていようとは、
誰が想像出来ただろうか。いや、誰も出来なかった。

この地に降り立つドライバー3名。
彼らの目を見よ。例えるなら猛禽類のそれ。
いや、既に虎の域に達しているか。アイオブザタイガー。
もはや彼らはドライバーにあらず。
言うなればこのバトルフィールドを駆け巡る戦士(ソルジャー)。

そして彼ら三銃士を結びつけるは「三十路の絆」。
ロストジェネレーションと貶められ、
脊髄反射で生きている上役に押さえつけられ、
創造力のかけらも無い指示待ち要員に悩まされ、
それでも尚、守るべき女達に、愛する男達に、
何かを賭け何かを残そうと必死にもがき、挑み、足掻く。

そんな彼らの今日の敵はまさに「自分」。
「オレはどこまでやれるんだ?オレは一体何者だ?」
今まで築き、磨き、積み上げてきた全てを己に向ける。
その迸る戦慄の火花が今、混沌の闇に一閃を放つ。

三銃士が一人、巨神兵にはその体躯を受け止めるマシンがあてがわれた。
巨大なそれはまさに専用機。例えるならシャアザク(青かったけどな)。
スターティンググリッドにマシンを向ける時、巨神兵は気づく。

「尻の肉が。。。シートからはみ出ている。。。」

あらゆる設備、あらゆる施設が彼らにはミニマム。トイレですら。
そうなのだ。「こっち側」の者には馴染み深い事象。
しかし戦いを放棄することは決して出来ない。
あらゆる規格を超えた域に存在する事こそがアイデンティティ。
戦闘の放棄は己の存在そのものを放棄するに等しいからだ。

戦いの始まりを意味する一声は「ゴー」(ホントは「どうぞ」だけど)。
その一声が彼の地に木霊すると同時に雄叫びを上げる尻の火の玉。
コースを攻めるにつれ加熱するエンジン。それはもはや過熱の域。

「熱い。。。熱い。。。熱い。。。」

それは周を重ねる毎に高ぶる彼の思いか、それとも尻か(尻だ)。
トライアル一周を終えるたびにグリッドに付け、タイムを確認する。
そして一際大きく響き渡る「ゴー」(ホントは「どうぞ」だけどな)。
その響きが轟く度に、重くのしかかる尻への重圧。
巨神兵は戦闘を有利に運ぶべく、次のグリッドでマシン交換を望む。

オレ:「あの。。。尻が熱いです。。。」
GD:「そうですよねー熱いですよねー。」
オレ:「あの。。。マシン。。。」
GD:「どうぞ!」

無情にも次の戦いの狼煙はすかさず上がった。
アクセルを蹴り込み、己の代わりにマシンに悲鳴を上げさせる。
徐々に縮まるタイムと同時に、戦闘意欲も縮み上がる。
この戦いで負けるわけにはいかない。次のグリッドでは必ずや!

オレ:「あの。。。マジで尻が。。。」
GD:「どうぞ!」

もう、この戦いは誰にも止められない。
もう、己自身を軽量化するしか術は無い。

ボロボロの巨神兵はついに戦い抜いた。
戦いの先にあったもの。それは名誉の火傷(右臀部)。
カートに栄光あれ。0.1t の巨躯に栄光あれ。

※浅達性レベル2
表皮・有棘層、基底層まで到達し、水疱、発赤、腫れ、湿潤を伴う火傷。
強い痛み、灼熱感、知覚鈍麻を引き起こす。

2008/07/03

2008/07/03のダメ人間模様

「とんかつにグレープフルーツ果汁をダダがけする(生涯二度目)。」

先週、今週と東京ビッグサイトにて特定業界向けの展示会が実施された。
特に今週は医薬系サポート製品重点展示イベントのため、
我らが事業部も臆面もなくブースを出展し、
ベストマッチする(と社内のみでもっぱらのうわさ)の
自社ソフトウェア製品群をあつかましくもアッピールする。

そのヘルプに駆り出された開発部隊のワタクシは、
脇の下までスリットの入った衣装(おべべ)を着たイベコンねぇちゃんに混じり、
「いらっさいませITいかがですか」と意味不明な台詞で呼び込みを行っていた。
その何かに釣られた残念なユーザ様をブースへ連れて行き、
マターリとゆるーいデモンストレーションをお見せする。
ときおり発せられる鋭い質問をノターリとかわし、名刺もらってさようなら。
嗚呼、恥ずかしい恥ずかしい。

先週も今週も朝からずーっと立ちっぱなし。疲労はピーク。
そんな状況を打破すべく、すこしでも楽しみを見出すべく、
昼飯にとんかつをガッツリ食す事にした。
「やはり喰いか。全く残念な男だ。」
という声が聞こえて来そうだ。オレもそんな自分を残念に思うよ。

運ばれてきた芳醇な香りを放つ黄金色の右上に見慣れた黄色いフルーツ。
その美しく整形された柑橘果実を見れば誰もがレモンと思う事だろう。
だがそれは違っていた。ブジュっとしぼった感触がその事実を物語る。
勘違いかもよ? もしかしたら熟してなくて意外とイケるかもよ?
と自分を鼓舞してみたものの、放たれたフルーティな甘い香りがそれを否定する。

嗚呼、残念でならない。嗚呼、うなだれるしか無い。
肉体的にも精神的にも疲れ、そろそろ人生にも疲れを感じ始めた。
明日はおいしいお昼御飯にありつけますように。

追伸:
足が棒のようだとは良く言ったものだ。
立ち仕事をしているヒトを本当に尊敬する。